第百十七回 笑と笑と・【機転】

か行

その場に応じた、機敏な心の働かせ方。



「時間つぶしの選択肢として “眼鏡屋に行こう” って言える男の人って、機転が利くと思う」



「異論はない。だが危惧はある」



「果たして?」



「眼鏡が絶望的に似合わないから、かけてみた姿で御眼鏡に適わない可能性がある」



「懸念材料ではあるな…」



【談】
中3のとき、眼鏡を新調した友達がいて、それが可愛かったので “貸してー” と仲間内で順番にかけていってみたことがあり、私の順番がきておずおずとかけてみたら全員が沈黙して目をそらす、といういたたまれない事態に陥り、茫然としていたら眼鏡の持ち主がボソッと「…何か…ごめんね」とつぶやいて回収していった、というほろ苦いエピソードの持ち主です。それ以来、極力眼鏡には近寄らない生活を送っていました。
が、旦那は眼鏡ユーザーなのでこないだ付き添いで眼鏡屋に行ったとき、よせばいいのに “ちょっとかけてみようかな” と血迷ってしまいました。
ほら、最近は目の紫外線も避けましょうとか言われているし、運転の時必要かもよ?などと心の中で言い訳しつつサングラスをかけてみたら、鏡の中にはイキったブー太郎が映っており、リアルに噴き出した後周囲をサッと見回し、誰にも見られていないことを確認してそっとサングラスを元の位置に戻しました。
どうやらただでさえ低い鼻が眼鏡をかけることによってそれがより強調され、もうそのちんまりとした鼻しか印象に残らない顔になってしまうのが敗因のようです。
眼鏡におけるマイナスエピソードは枚挙にいとまがありません。これからも極力避けて生きていきたいと思います。

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