第二百九十八回 笑と笑と・【伝授】

た行

奥義や秘事を伝え授けること。




「よし、じゃ今から “待て” の3段活用を伝授する」


「え…今からすか…?」


「まずは基本の “待てーい!” 。これはお互い初見のときに発動することが多い。まずは様子見、といったニュアンスも含んでるからな」


「あ…そうなんすね…」


「次に “待たれい!” 。これは過去に一戦交えていたり、こっちがベテランだったときに発動することが多い。若干の余裕を含んでいるからな」


「…なるほど…」


「そして最後に “待て待て〜い!”。 これはもう予定調和で、お互い気心が知れてる仲だから発動できるやつだから。まぁちょっとコントっぽい展開にもイケるし、上級者向けだな」


「…悪役との信頼関係も必要なんスね…」


「そ。まぁヒーロー初心者は大抵 “待てーい!” だから。そんなキンチョーせずに。オレのあとについてきてくれればいいから。じゃ行くぞ!」


「ハイ! (…ヒーロー登場にもセオリーがあったとは…勉強になるな…) 」


【談】
一生に一度くらいは “待て待て〜い!” と満を持して登場してみたいです。

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