奥義や秘事を伝え授けること。
「よし、じゃ今から “待て” の効果的な使用方法を伝授する」
「え…このタイミングでですか…」
「 “待て” と言われて待つ奴ぁいない、という言葉があるように、“待て” の声掛けは乱暴であればある程相手は逃げる。まずは言いがちな “待てゴルァ!” これはもう “ほら逃げろ” と半ば言ってるようなモンだ。だから言ってはいけない」
「確かに。100%相手は逃げますね…」
「だからまずは丁寧な声掛けを意識したい。そこで使いたいのは “お待ちになって” だ」
「お…おま…」
「女性ならなお効果的だが、俺らでも問題ない。言われた相手は “え…生き別れた…姉さん?” と身に覚えがなくても一瞬錯覚に陥る」
「そ…そんなもんすか…」
「とりあえず相手をひるませる。そこで最も効果的なのが “少々お待ちください” だ」
「w少々って…」
「相手は一瞬 “え、俺何か頼んでたっけ?” と動きが止まる。少々お待ちくださいの少々はえてして思っているより長いモンだが、これを言われた相手は少々待つ」
「…俺、笑っちゃいそうっスw…」
「まずは実践が大事だ。いいか、今から敵のアジトに侵入する。ホシが逃げそうになったら大声張り上げて “少々お待ちください!” だ。いいな」
「ハイ! (…犯人確保の声掛けにもセオリーがあったとは…勉強になるな…) 」
【談】
第二百九十八回 笑と笑と・伝授の Part2 です。前回のネタを妄想していたときに、“待て” には “そこまでだ” の意味や “止まれ” の意味など、わりと色々なパターンがあるなと気付いたのでそこから広げてみました。余力があれば “ちょ待てよ” パターンも考えてみたいと思います。
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