準備をととのえて機会の来るのを待つこと。
「ねーちょっと見てみて。この棚どうかな?」
「どれどれ…この棚?」
「そうそう、リビングに収納増やしたいって言ってたじゃん。アイアンの飾りもついててさ、これオシャレでしょー?」
「まぁ確かにオシャレな棚だけど…冷静になってよく見てみ?この棚、何一つ収納してないよ?」
「え…?だって、色々しまってあるじゃん」
「そのしまってあるモンよーく見てみなよ。見られること前提でしか置いてないものだらけだから」
「…確かに言われてみれば、誰も読まないであろう洋書と、誰も火を付けないであろうキャンドルと、どうやって洗うの?っていう花瓶しか置いてない…」
「だろー。ちなみにさ、リビングの何を収納したいわけ?」
「…掃除機のノズルとか、すき間テープの残りとか…チャッカマンとか…」
「極力隠したいものだらけじゃん。だったら扉付きの棚か、収納のカゴとか追加で買わないと丸見えだよ?」
「………じゃあもういっそのこと、掃除機のノズル飾ってみる?」
「…ほう、それは新しいな…」
「フォルム的には一輪挿しよね」
「なるほどな。その辺の花を摘んで挿して、愛でながら季節を…感じ…いや無理だわ。どんな華道家でも床に叩きつけるわ」
「…ノズルもそんなつもりで生きてないよね。大人しく扉の裏で待機しててもらうわ…」
【談】
最近引っ越した家には出窓があるのですが、そんな小洒落た内装の部屋に慣れておらず、照れてしまってうまく使いこなせていません。“使い勝手がいい” という理由だけで掃除機のバッテリーを置いてしまっている状況を何とか脱したいです。
コメント