第二百三十八回 笑と笑と・【範疇】

は行

同じような性質のものが含まれる範囲。カテゴリー。


「おはよー」


「あ、チナツおはよう。ね、ね、昨日サトウ君とはどうだったのよ?」


「…まぁ、一旦落ち着いて座って話そうか。親友としての意見も聞きたいし」


「何よう。一緒に帰ろうって誘われたんでしょー?」


「まずリナさぁ、サトウ君の自転車見たことある?」


「自転車?いやないけど…」


「まず第一の衝撃はそこね。サトウ君の自転車、ハンドルがめっちゃ鬼ハンだった」


「鬼ハン…」


「そ。しかもゴン反り」


「ゴン…ぞ…」


「でも運転はめっちゃスムーズだったの。そこまではさ、バランス感覚いいんだなーって、何とか好意的に捉えてたわけ」


「…頑張ったね…」


「でもダメ。ハンドルよく見たらさ、ラッパついてんの」


「ラ…ッパ…」


「どう言う時に鳴らすの?って聞いたら、“イキリたい時だよ!” ってそこでめっちゃ笑顔でプップーって鳴らされて…」


「www」


「サトウくん、マイルドヤンキーの範疇は越えちゃってるよね?今日も誘われてるんだけど、正直断ろうと思ってる」


「うん、一線は超えちゃってる…かな。今日は一緒に帰ろ…」


【談】
鬼ハンと持ち主の眉毛の角度との間には、強い相関関係があるように思えてなりません。

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