第二百一回 笑と笑と・【天衣無縫】

た行

天真爛漫 (てんしんらんまん) なこと。また、そのさま。


「やべーマヂ気持ちいい〜♪」

「(若いおなごが水浴びをしておる…もしや…天女?)」

「露天風呂みたいでアゲ〜♪」

「この着物と衣…縫い目がない!まさしく天衣無縫…やはり天女じゃ…」

「そろそろ上がろっかな〜…ってオイ! そこのヤカラ! のぞいてんじゃねーよ」

「ちちち違う!拙者は覗きなどという不埒な真似は決して…」

「いーから着物返してよ。このヘンタイ」

「かかか返してほしくば拙者の妻となれ!さすれば返してやる」

「いや交換条件エグくね?」

「そなた…天女なんじゃろ?地上に住まうところを探しておるのじゃろ。ならばうちに…」

「彼氏いるし無理。つか天女じゃねーし」

「…しかし…この衣…縫い目が…」

「そんなん “裁縫上手” で一発っしょ。縫うとかしんどみ深すぎだわ」

「何と…針も糸も使っておらぬと申すのか…」

「持ってるやつあげるから、それでカンベンしてよ。んでそのほつれた裾直しな」

「(…天女ではなくただの鬼ギャルじゃったが…心は天衣無縫じゃ…)」


【談】
“100円ショップに行けば容易く手に入るのは分かってる。でもこれってわざわざお金出して買うもの?” という元来のどケチ根性が邪魔をして、娘の新学期に用意する二枚の雑巾はいらないタオルをチクチクと手縫いしていたのですが、この商品の登場により大分楽になりました。縫ってないのに裁縫上手とはこれいかに、と思いながらいつもお世話になっています。

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