第三百三十二回 笑と笑と・【仲裁】

た行


対立し争っているものの間に入ってとりなし、仲直りをさせること。





「服買ったら試供品で柔軟剤もらったんだけど、洗剤に混ぜていいと思う? 匂いも混ざっちゃうと思うんだけど」



「どれどれ…花とおひさまの香り、か…」



「洗剤のほうはグリーンガーデンとミュゲの香りだって」



「俺の靴下のイソ吉草酸と絡んだら一悶着ありそうだな」



「まぁものは試しよね。とりあえず洗ってみるわ」




~翌日~



「昨日の洗濯物どうだった?」



「んっとねー。庭でおひさまと花がケンカしはじめて、ミュゲが止めに入ったんだけど全然収まらなくて、部屋干し会場がダークフローラルの香りに包まれてる」



「ミュゲじゃ力不足だったか…」



「そもそもミュゲって何だろうね?」



「さぁ…。仲裁は無理だったし、あんま自己主張してこないタイプであることだけは確かだな」



【談】
香害の一歩手前で何とか踏みとどまっている模様。現場からは以上です。

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