すぐ食べられるように、食膳を整えて人の前に据えること。また、その膳。
「すまんかった。このとおり。この情けない旦那をどうか許してほしい…」
「物事のいかんによっては鉄槌が下ることになるけど…まぁ聞こうか」
「昨日残業で遅く帰ってきただろ。んでどーしても甘いもの食べたくなっちゃって…みっちゃんの買い置きのどら焼き食べちゃったんだよ」
「何だそんなこと。こないだスーパーで買ったやつでしょ?いっぱい入ってるから別にいいよ」
「ただ…俺のやつにはあんこ入ってなかったんだよ」
「え?どういうこと?」
「あの “どら焼きアソート” ってやつ、1個おまけが入ってたんだけど、それ皮だけのやつなんだよ。パッケージ見たら、 “お好きな具をはさんでお好みでどうぞ♡” って書いてあって…」
「そうなの?いや、そこまで見て買ってなかったわ…」
「俺、深夜にコソコソ嫁のどら焼き盗み食いまでしたのに皮だけって…そこは据え膳であってほしかったわ…」
「据え膳食えなかった男のドジ、か…」
【談】
考えごとをしながらどら焼きアソートをひとつ手に取って食べた後、“あれ、今食べたの何味だったんだろう?” と袋を見たらまさかの皮だけどら焼きだったことがあり、己の舌の鈍感さに愕然としたことがありました。どら焼きの皮にはあんこのワンセットでいい…。多くは望まないので、そこは幅を持たせなくてもいいかな、と個人的には思います。
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