第百二十一回 笑と笑と・【既視感】

か行

一度も見たことがないのに、すでにどこかで見たことがあるように感じられること。デジャビュ。


「…これってさぁ、見てるほうが恥ずかしくなってくるよね」

「このモッツァレラチーズゲームっていうの?若い子の間で流行ってるらしいね」

「何かものすごい既視感を感じる…」

「え?見たことあるの?」

「ゲームのほうじゃなくて、見たほうの気持ち…」

「気持ち?」

「思い出した、小4の時佐々木君が披露したルパン3世の五右衛門のモノマネ見せられた時の気持ちだ」

「あ〜………絶妙な気恥ずかしさを感じるわ…」


【談】
確かクラスでやった “なんでもバスケット” の罰ゲームとして意気揚々と披露していました。
これを見せられたからには負けるわけにはいかないと、教室全体がより一層熱を帯び、椅子の奪い合いも激しさを極め、死人が出る一歩手前までの白熱した攻防が繰り広げられた、楽しい思い出が蘇ります。

コメント