第三百十四回 笑と笑と・【一縷の望み】

あ行

ごくわずかな望み。





「上まつ毛は下向き、下まつ毛は上向きで、構造は完全に食虫植物…」



「異性のハート捕えずして何を捕まえようとしてるのかしらね」



「ガード固すぎてどんな虫も寄って来やしない。いくら “秘すれば花” とはいえ、世阿弥でも “もう少し花開いてみてはどうか” って言うと思う」



「ほら、これ一重専用ビューラーだってさ。これに一縷の望みかけてみる?」



「3分咲きくらいにはなるかな…」



【談】
目の粘膜ギリギリまでビューラーで挟み込んだまではいいものの、力が入りすぎて机から肘がすべり落ち、そのままなけなしのまつ毛が数本抜けてしまった時は痛みとは違う理由で数分泣きました。今はもう “ひさしまつ毛” ということにして自分を納得させています。

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