第四百七十七回 笑と笑と・【界隈②】

か行

そのあたり一帯。付近。近辺。




「何とかして一瞬で風呂が済む方法として、人間洗濯機があればいいんじゃないかってよく妄想するんだけどさぁ」




「いいね、スイッチひとつで洗ってくれたら楽よね」




「でもねー…。どうやら無理っぽい。越えられない壁があることが分かった」




「越えられない壁?」




「そー。こないだ毛染め専門店に行ったんだけどさ、そこのシャンプーが全自動マシーンだったの」




「ほぅ」




「どんなもんかってワクワクしてたんだけどさ、いざ始まってみるとさ、もうダメ。くすぐったくてくすぐったくて」




「そうなんだw」




「100本位の水鉄砲でお湯ピューピューかけられてる感じよ。いやー耐えるのしんどかった。だからさ私、人間洗濯機になんて入ったら生きて帰ってこられないと思う」




「なるほど。死因:くすぐった死 はなんとも避けたいな…」




【談】
先日、気になり始めた白髪を染めてもらうために毛染め専門店へ赴き、生まれて初めて全自動シャンプーマシーンなるものを体験してみたのですが、それが尋常ではないほどの殺人的くすぐったさでした。頭をホールドされているが故に身動きが取れない中、叫びだしそうになるのを歯を食いしばってなんとかこらえ、マシンが終了するのが先か私が失神するのが先かというデスマッチを何とか乗り切りました。
仕上がりには大変満足しているので今後も通いたいと思ってはいるのですが、あの拷問とも呼べる時間に再び耐えなければいけないことを思うと躊躇してしまいそうです。

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