第二百十回 笑と笑と・【単刀直入】

た行

直接に要点を突くこと。遠回しでなく、すぐに本題に入ること。


「昨日息子とふざけて相撲取ってたら、嫁がうちわ持って行司やりだしてさ」

「ほのぼのエピだな」

「四股名も読み上げてくれて、“に〜し〜、育ちざ〜かぁ〜り〜”」

「息子君ね」

「“ひがぁ〜し〜、働きざぁ〜かぁ〜り〜”」

「中年の星だな」

「んで八卦良いのこった、でがっぷり四つになって、最終的にはオレが居反りで勝ったんだけどさ」

「決まり手えげつねぇな。そこは負けたれや」

「敢闘インタビューで嫁に “いつ横綱に昇進するんですか” って、藤井アナでも聞かないような短刀を直入されてさ、“まずは目の前の取り組みに集中して、自分の相撲を取るだけです” …って言うしかなかったわ…」

「…通づるものがあるな…」


【談】
もしも私が土俵入りするならば四股名は “花盛り” か “色盛り” にしたいことろですが、呼び出しの時点で物言いがつく、という前代未聞の事態に陥りそうなので自重しておきます。

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