美しい女性は、とかく悲運であったり、短命であったりすることが多い、ということ。
「お母さん、私の命…もう長くないんでしょ?」
「何言ってるのアヤカ。必ず治る病気なのよ」
「いいの。自分のことは自分が一番よく分かってるの。お母さんが優しいからそれを黙ってることも」
「アヤカ…」
「そうね…あそこに残っている一枚の枯れ葉が散ったとき、多分私はもうこの世にいない」
「アヤカ、そんなこと言わないで…」
「あの葉っぱが私の命の灯となって………あ………」
「…あ…」
「…散っちゃった…」
「…散っちゃったわね…」
「…」
「…」
「美人薄命ごっこ、もう少しやりたかったな…」
「明日退院よ。軽い盲腸で良かったわね」
【談】
散歩のときにこのシチュエーションにぴったりな末期の枯れ葉を見つけたのですが、場所が墓地だったために “散り際に変な気ぃ使わなくて良かったね” と思った次第です。
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