第二百六十二回 笑と笑と・【死蔵】

さ行

活用せずに、しまい込んでおくこと。退蔵。



「ボス、こちらが今回発掘された品々です」


「よし。順番に見ていこうか」


「まずはこちら。封が開いているにもかかわらず他の袋を開けられ忘れ去られ、粉々になった鰹節です」


「ふむ。カスおぶしだな」


「次に、同じ理由で無残な姿に成り果てたちりめんじゃこです」


「次はチリめんじゃこ、と…」


「最後に、いつぞやの法事でもらい、そのまま死蔵されたお茶の葉です」


「まさに茶っぱみじん、だな」


「いずれも引き出しの奥底から発見されています」


「あぁ。現場には洗濯バサミ、干からびた輪ゴムなど多数の遺留品が残されており、味噌汁の具、春雨スープの具などの捜索願いが出されている。引き続き調査してくれ」


「了解です!」


【談】
先日もお茶漬けの素が発掘されたのでボスの元に持って行こうと思います。たぶん「ふむ…元・お茶漬けの素だな」と返されるハズです。

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