第四百八十一回 笑と笑と・【悠々】

や行

ゆったりと落ち着いたさま。




「私の中に ”三大信用できない時計” というものがあってだな」




「ほう」




「まず一つ目は給湯器。風呂入ってるときに見るんだけど、上がった後の部屋の時計と若干違っているような気がしないでもない。でもあえて確認もしてない」




「運転ボタン押してるときしか見ないしな」




「二つ目は炊飯器。買ったときに間違いなく時計合わせしてるはずなのにいつの間にかズレてる気がする。でもちょっと早めに設定してれば朝起きて炊きあがってるから特に問題はない」




「まぁ、間に合ってればとりあえずOKだしな」




「最後は車。これに関しては設定した覚えのないままだいたいの時を刻んでくれてる。どうやって変更するのかも分かんないし、あくまで ”目安の時間” ととらえてる」




「…確かに…。他の人の車乗ってたら一応自分の時計で確認するな」




「たぶん日本全国の乗用車の約半数が ”おおよそ合ってる時計” で走行していると私は踏んでる」




「車内には悠々の時が流れてるのか…」




【談】
今でこそ電波時計が一般的だし、スマホを見れば疑う余地のない正確な時刻を教えてくれますが、昔は117に電話してピッピッポーンに合わせて設定してたなぁ。ちょっとズレたらまた一分待ってやってたなぁと懐かしく思い出されます。

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