第二百五十三回 笑と笑と・【結論】

か行

考えたり論じたりして最終的な判断をまとめること。




「なーなー。ちょっと聞いてくれよ」



「何だよさっきから」



「めっちゃ悩んでんだよー。聞いてくれよー」



「俺は今、どうすれば えなこ と合体できるのかどうか考えんのに忙しいんだよ」



「いや一万年かかってもムリだって!望み薄な夢は捨てろよ」



「まずはダンボールでアクエリオンの顔ハメパネルを作ってだな…」



「いやリアルもう中学生になっちゃうから!俺らとダンボールの組み合わせはヤバいって!…いやそんなことはどうでもいいんだよ。悩み聞いてくれよ」



「しゃーねーなー。何だよ?」



「お前…キシモトと仲いいだろ?」



「あぁー…まぁ仲いいっちゃいいかな?お前ミキナに気があるんだっけ」



「そう!それ!お前キシモトのこと下の名前で呼んでるだろ?てか山奥小出身の奴らってみんな下の名前で呼び合っててめちゃめちゃ仲いいじゃん。俺それ羨ましくてさー!」



「まーひとクラスしかなかったからな」



「俺もミキナって呼びたいんだよ。でも早いかなー?引かれるかなー?…なぁなぁどう思う?」



「…ふむ…」



「お前の意見聞きたいんだよー」



「………お前さ、“わんわんわんだーらんど” って見てた?」



「…え?」



「いやいーから。子供んとき見てた?」



「…あぁー。あれだろ? “いないいないばぁ” のやつ。たぶん見てた」



「あれの公開録画のときさ、わんわんが舞台上にパパたち呼んで、それぞれにあだ名つけて呼ぶんだよ」



「あー。そんなんもあったかな」



「んで最後のパパだけ名字で呼ぶんだよ。想像してみたらめちゃくちゃ面白くない?」



「…ん…まぁ、ウケるだろうな」



「そう、突き放すことでかえって親しみが生まれるんだよ。じゃあもう一個、サタプラ。お前サタプラって見たことある?」



「あー。あの土曜の朝やってるやつな」



「そー、それに増田明美のコーナーあるだろ?」



「あの無茶振りするやつな」



「そうそう、んで無茶振りされたバイキング小峠が “オイ明美!” とか、かたせ梨乃んときは “このヤロー梨乃!” とかあえて下の名前でツッコむんだよ」



「確かに…そうやってツッコんでるな」



「これが名字でツッコんじゃダメなんだよ。何か偉そーになっちゃうから。あえて下の名前で距離つめて、そのギャップで笑いが生まれてると思うんだよな」



「…まぁ…言われてみればそうかな?」



「だろ?それ考えたらミキナのこと何て呼べばいいか見えてきただろ?」



「………いや全然分かんねーわ…結論教えてくれよ」



「ためになったねぇ〜」



「ソレ言いたかっただけか…」


【談】
自分でもビックリするくらい、何やら情報量の多い、胃もたれしそうなネタになってしまいましたが、結局私もオチの決めゼリフが言いたかっただけなんだと思います。

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