第三百七十九回 笑と笑と・【極度】

か行


程度のはなはだしいこと。また、そのさま。




「浦島さん、こちらが宴の席の会場です。」




「ありがとう亀さん。しかし竜宮城とはとても豪華な建物ですね。」




「どうぞ楽しんでいってくださいまし。しかしひとつ、ご注意いただきたい点がございまして…」




「何でしょう?」




「中には姫君が待っておられます」




「確か乙姫様という美しい姫がいると噂では…」




「姫君は極度の恥ずかしがり屋です。とある音が流れていなければとても殿方とお話しすることができません」




「とある音?」




「多少聞き取りづらいかもしれませんがどうぞご辛抱を。では、参りますよ」




「一体どういう…」




「姫、浦島さんをお連れしました」




「 (ゴボッ…ゴォー) はじめまして浦島さん。お会いできて光栄です」




「え…あ…」




「 (ゴボッ…ゴォー) 地上では亀が大変お世話になりました」




「 (この音は…もしや…… TOTOの音姫…⁉︎) 」




「 (ゴボッ…ゴォー) どうぞ宴を楽しんでいってくださいね」




「 (こっちの音姫様だったのか… ) 」



【談】
携帯用の音姫も販売されているようです。羞恥心=ビジネスチャンス。

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